訴訟に関する主な実績として、平成10年以降、以下の判決・和解があります(下線の当事者を代理)

【知的財産権】

・ ューピー人形著作権事件(第2次訴訟)
  (大阪地判平16.4.27、大阪高判平17.2.15 北川一夫 v. キユーピー )

・ ロッテ・グリコ訴訟(東京地裁平成16.10.20 ロッテ v. グリコ
・ 
成瀬・ 味の素訴訟 (東京地判平16.2.24 成瀬昌芳 v. 味の素
・ 中村・日亜訴訟 (東京地判平16.1.30 中村修二 v. 日亜化学
・ 
米澤・日立 (東京地判平14.11.29、東京高判平16.1.29、最高裁平18.10.17米澤成二  v. 日立製作所
・ 
不正競争防止法事件(東京高判平14.6.26 アルゼ他 v. 日電特許)
・ 
チャレンジタイム特許侵害事件(東京地判平14.3.19 アルゼ v. サミー)
・ 
チャレンジタイム特許侵害事件(東京地判平14.3.19 アルゼ v. ネット)
・ 
青色LED特許侵害事件(東京地判平13.12.20 日亜化学 v. 住友商事・米国クリー社
・ 
青色LED特許侵害事件(東京地判平13.5.15 日亜化学 v. 住友商事・米国クリー社))

・ キューピー人形著作権事件(第1次訴訟)

   (東京地判平11.11.17、東京高判平13.5.30 北川一夫 v. キユーピー

【税法】
・ 252億円法人税(重加算税)更正処分取消請求事件
  (東京地判平17.7.21、東京高判平18.3.15、A社 v. 国)
・ 28億円法人税(過小申告加算税)更正処分取消請求事件
  (名古屋地判平17.9.29、名古屋高判平18.2.23、C社 v. 国)
・ 24億円法人税(重加算税)更正処分取消請求事件(東京地判平17.7.28、ケン・エンタープライズ v. 国)

・ 17億円法人税(重加算税)更正処分取消請求事件(東京地判平14.4.24、アルゼ v。国)

・ 107億円法人税 更正処分取消請求事件(東京地判平13.11.9、旺文社ホールディング v. 国)
【不動産法】
・ 
サブリース契約事件
  (東京地判平10.8.28、
東京高判平12.1.25 
センチュリータワー v. 住友不動産

・ 
サブリース契約事件<東京高判平13.3.28、三井物産 v. 千倉書房

【労働法】
・ 
研修費用返還等請求事件NTTデータ v. Y>
・ 
雇用関係存在確認等請求事件<A・B・C v. 平和>
【その他】
・ 
交通事故事件被害者 v。 X、東京地判平10.3.19)


 現在係属中の事件も含めて、各事件を、下記に簡単にご紹介いたします。

  


 ・ 252億円法人税 (重加算税)更正処分等取消請求事件 

   

      (東京地判平17.7.21/東京高判平18.3.15(確定)、A社 v. 江東西税務署長)

 

   (A社代理人:弁護士升永英俊、弁護士荒井裕樹)

 

 

  本件は、@木造注文住宅の建築等を業とするA社が、その国外関連会社であるB社に対してノウハウ使用許諾の対価として支払ったロイヤルティが、仮装取引に基づくもので対価性がなく、寄付金に当たり、AA社とフランチャイズ契約をしたフランチャイズ各社がB社との間の契約に基づいてノウハウの供与及び商標等の仕様の対価として同社に支払ったロイヤルティが、仮装取引に基づくもので、真実はA社において支払を受けるべきものであって、A社の売上に当たる等として、江東西税務署長が、平成12年3月30日付でした、青色申告承認取消処分、法人税更正処分及び重加算税賦課決定処分等につき、A社が取消を求めた事案である。

 本件について、東京地判平17.7.21及び東京高判平18.3.15は、いずれも、@A社がB社に対してノウハウ使用許諾の対価として支払ったロイヤルティにつき、対価性がないと認めることはできず、Aフランチャイズ各社がB社に支払ったロイヤルティがA社の収入とすべき売上に当たると認めることもできず、したがって、青色申告の承認を取り消す原因となる仮装又は隠ぺいの事実を認めることはできない等として、A社の請求を全面的に認容した。
 国は上告を断念。判決は確定。納税者は満額還付を受けました。勝訴して、提訴側が実際に現金還付を受けた例としては、税金事件に限らず、全ての種類の事件で史上2位です。史上1位は、興銀 vs. 国の税金の事件です。

  


28億円法人税(過少申告加算税)更処分等取消請求事件

     (名古屋地判平17.9.29/名古屋高判平18.2.23、C社 v. 千種税務署長)

  (C社代理人:弁護士升永英俊、弁護士荒井裕樹)

   

  本件は、C社が、平成7年2月頃、B社との間で、その保有する「経営システム」等に関するノウハウ等(本件ノウハウ等)を譲渡する旨の契約(本件譲渡契約)を締結したとして、その譲渡対価を計上した上、平成8年6月期の確定申告をしたところ、千種税務署長が、本件ノウハウ等はC社の親会社であるA社に帰属するもので、本件譲渡契約は実体を伴わない架空の取引であるから、C社がB社から受領した金員(本件資金移動)は、法人税法22条2項所定の「無償による資産の譲受け・・・に係る・・・収益」(受贈益)に該当する旨認定した上、平成8年6月期の法人税の減額更正処分をし、さらに、平成9年6月期ないし平成11年6月期の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分(本件各処分)をしたことから、C社が、本件譲渡契約は架空のものではないと主張して、本件各処分の取消を求めた事案である。

 本件について、名古屋地判平17.9.29及び名古屋高判平18.2.23は、いずれも、本件ノウハウ等が本件譲渡契約時にC社に帰属しており、本件譲渡契約が実体を伴わない仮装の取引とは認められず、本件資金移動は上記受贈益に該当しないとして、C社の本件各請求をいずれも認容した。

 なお、本件は、原告(被控訴人)をA社、被告(控訴人)を江東西税務署長とする東京地判平17.7.21及び東京高判平18.3.15の法人税更正処分(重加算税)等取消請求事件と密接に関連し、その派生事件に位置付けられるものである。
 国は上告を断念。判決は確定。納税者は満額還付を受けました。

  



 24億円法人税 (重加算税)更正処分取消請求事件 - 一審一部勝訴、二審敗訴、最高裁係属中

   

    (東京地判平17.7.28、ケン・エンタープライズ v. 渋谷税務署長事務承継者日本橋税務署長)


  (ケン・エンタープライズ代理人:弁護士升永英俊、弁護士荒井裕樹)      

 

 本件は、東証一部上場企業である株式会社SFCG(旧商工ファンド)の約半数の株式を保有するケン・エンタープライズ(以下「KE」)が、平成15年3月に受けた法人税、源泉所得税、消費税、重加算税を含めて合計約24億円の課税処分のうち、法人税の課税処分の取消を求めた事件である。

 本件の主たる争点は、KEがドイツ銀行を引受人として発行した、発行総額1億1500万米ドル、期間約5年間、金利21.25%、SFCG株式での償還特約及び劣後特約付債券(EB債)に係る支払利息全額が損金として認められるか否か、即ちKEにとっての「適正金利」が何%であるかが問題となった。又、KEがオフショアであるマン島所在のSPCに対して支払ったEB債の利息が「使途秘匿金」に該当するか否かも争点となった。

 まず、「適正金利」の論点について、国税側は、銀行間取引に用いられる米ドルスワップレート約6%に、KEのクレジットスプレッド1.9%(担保付きの5億円の融資におけるKEのクレジットスプレッド1.4%と、長短のプライムレートの差を0.5%として算定)を加えた約7.9%が「適正金利」であると主張した。

 これに対して、KE側は、EB債の21.25%は、独立第三者であるドイツ銀行が算定した金利であるから、21.25%が「適正金利」であると主張した。なお、ドイツ銀行傘下のDMG証券によって算定されたEB債の21.25%の金利とは、@リスクフリーレートとして発行当時の米国国債5年物利回り約5.5%、AKEのクレジットスプレッド8%(但し、うち3%は、アジアプレミアム、EB債の特有の商品性、非流動性を考慮したもの)、BSFCG株式のプットオプションプレミアム約7.8%から構成される。

 地裁判決は、国税が主張する「適正金利」におけるKEのクレジットスプレッド1.9%は、担保の有無等を考慮していないものであるとして採用せず、米ドルスワップレート約6%に、DMG証券が算定したKEのクレジットスプレッド8%のうち、アジアプレミアム、EB債の特有の商品性、非流動性を考慮した3%を控除した残り5%を上乗せした約11%が、本件資金取引における「適正金利」であると認定した。この結果、納税者KEは、国税に対して、約4分の1勝訴した。

 又、地裁判決は、KEがマン島所在のSPCに対して支払ったEB債の利息が「使途秘匿金」に該当しないとして、「使途秘匿金」課税及びそれに伴う重加算税賦課決定処分を取り消した。 

  


 住友信託銀行 v. UFJ3社(UFJホールディングス,UFJ信託銀行,UFJ銀行) - 一審敗訴、高裁係属中

  (東京地方裁判所平成16年(ワ)第22864号事件 情報提供又は協議差止等請求事件)

 

  (住友信託代理人:弁護士升永英俊、弁護士荒井裕樹)      

 

 住友信託銀行が、UFJホールディングスとUFJ信託銀行、UFJ銀行を相手として、「住友信託銀行以外の第三者との間で、UFJ信託銀行の営業移転や合併などに関する、情報提供や協議を行ってはならない」との情報提供又は協議差止請求した事件。  

 

  


ロッテ・グリコ訴訟  - 高裁係属中

  (東京地判平16.10.20 ロッテ v. グリコ

   (グリコ代理人:弁護士升永英俊、弁護士江口雄一郎)      

 ロッテがグリコに対し、比較広告に基づく差止め及び損害賠償を求めた事件で、グリコ側を代理して、一審勝訴(東京地判平成16年10月20日)。東京高裁係属中。

 【判 決 書】 → 地裁判決(最高裁HP 知的財産権判決集

 


キューピー人形著作権事件(第2次訴訟−大阪)

           (大阪地判平16.4.27、北川一夫 v. キユーピー(株)

           (大阪高判平17.2.15、北川一夫 v. キユーピー(株)、確定)

 

     (キユーピー代理人:弁護士升永英俊、同荒井裕樹 、同江口雄一郎)

 

 本件は、第1次訴訟とは異なる著作物である、米国人イラストレーターであるローズ・オニール製作に係る1909年作品に基づき、第1次訴訟と同一の原告が、被告であるキユーピー社に対して、同社の人形・イラストの使用差止、損害賠償等を求めた事件である。

 本件判決は、原告の本訴請求の大半が権利濫用であると認定した他、1909年作品の原著作物が、日米著作権条約が発効した1906年以前にローズ・オニールが製作し、公有に帰した作品と認定した上で、キユーピー社の人形・イラストが、1909年作品に係る二次的著作権を侵害するものではない旨を判示して、原告の使用差止・損害賠償請求等を棄却した。

【判 決 書】 → 地裁判決(最高裁HP 知的財産権判決集高裁判決(最高裁HP 知的財産権判決集

 


 ・成瀬・味の素訴訟
      (東京地裁平16.2.24、成瀬昌芳 v. 味の素

(成瀬昌芳氏代理人:弁護士升永英俊、弁護士荒井裕樹)

    本件職務発明特許は、人工甘味料アスパルテーム(APM)の製造方法に関する特許 であり、味の素から成瀬氏に対してこれまでに支払われた相当対価(の一部)は約1000万円であり、これに対して、成瀬氏は、2002920日、相当対価の一部として20億円を請求する旨の訴えを、東京地裁に提起した。
 地裁判決は、@本件特許により味の素が得た独占的利益を合計797400万円(米国特許のロイヤルティ収入446800万円+欧州特許のロイヤルティ収入30700万円+国内外へ販売した自社実施分319900万円)、A使用者(味の素)が貢献した程度を95%、B共同発明者6名間における成瀬氏の貢献度50%と認定し、本件特許の相当対価を、19935万円と計算した上で、既に支払済の1000万円を控除して、味の素に対して、1億8935円と遅延利息の支払いを命じた


高裁で和解が成立しました(2004年11月19日)。

    本件訴訟の実務上の意義としては、和解金額からすれば、外国特許による利益を相当対価に含めて考えていることが認められることから、実質的に、使用者側が、初めて、職務発明の相当対価を、外国特許による利益を考慮して決定することを認めたことである。又、本件控訴審の裁判体は、日立事件とは異なることから、異なる裁判体でも、日立事件と同様に、職務発明の相当対価は、外国特許による利益を考慮して決めるという立場を採ることが明らかになったと評価できる。

【判 決 書】 → 最高裁HP 知的財産権判決集(地裁)
【解説】→本判決に関する解説

 


米澤・日立訴訟 - 最高裁係属中
      (東京地裁平14.11.29、米澤成二 v. 日立製作所
      (東京高裁平16.1.29、米澤成二 v. 日立製作所
      (最高裁平18.10.17、米澤成二 v. 日立製作所

(米澤成二氏代理人:弁護士升永英俊、弁護士荒井裕樹)

第1 事案概要

 

1 本件発明

 本件発明は、CD/CD-R/CD-RW・MD・DVD/DVD-R/DVD-RWなどの光ディスクドライブにおいて、それらの光ディスク媒体上の情報を半導体レーザを用いて高精度で読み出す技術に関する発明である。この技術は、代替技術のない不可避な特許として世界中で実施されている。

 なお、本件発明は、本件訴訟以前に、「東京都知事発明奨励賞」、「地方発明奨励賞」といった公の表彰を受けた他、日立自身からも、本件発明について、代替技術がない「戦略特許」として金賞の表彰を受けた。

 

2 訴訟の経緯

 本件訴訟は、平成10年に東京地方裁判所に提起され、平成14年11月29日に地裁判決が出された。地裁判決では、本件発明に対する相当対価は、3474万円と判断された。

 同地裁判決に対して、原告被告双方が控訴し、東京高裁は、平成16年1月29日に、同相当対価は、1億6284万6300円とする判決を下した。

 同高裁判決に対して、日立製作所が、最高裁に上告及び上告受理申立を行った。

 今日の判決で取り上げられた外国で特許を受ける権利に関する特許法35条の適用の有無以外の論点については、既に上告受理申立不受理が確定していた。

 

第2 本最高裁判決の意義

 

1 外国で特許を受ける権利にも特許法35条の類推適用を認めた点

 既に多くの企業で、外国特許により得た独占的利益(ロイヤリティ等)についても発明者に対して補償金を支払っているのが実務であるが、当該実務が最高裁判決により裏付けられたことは、発明者にとって非常に有利と考える。

2 

  2 ロイヤリティの支払を伴わない包括的クロスライセンス契約について相当対価の支払を認めた点

 ロイヤリティの支払を伴わない包括的クロスライセンス契約は、大手電機メーカー等の間で締結されるケースが多いと思われる。

 このケースの場合、具合的な金銭の受領がない為、一見、職務発明に係る特許の経済的価値が認められず、相当対価を支払う必要がないかのように思われかねない。現に、多くの企業では、このようなケースに発明者に対して補償金等を支払っていないものと思われる。

 しかし、本最高裁判決は、かかるケースは、企業がお互いに本来支払うべきロイヤリティを相殺しているに過ぎず、発明者は、当該ロイヤリティを合理的に算定した上で、その分も含めて相当対価請求できるものとした高裁判決を追認するものと解される。

 従って、本最高裁判決のインパクトは極めて大きいと考える。

 

  3 発明者の貢献度20%を認めた点

 本最高裁判決は、本件高裁判決で、発明者の貢献度を20%とした判断を追認したものと解される。

 発明者の貢献度20%というのは、比較的高い貢献度を認めた事例と評価できる。

 

   4 全共同発明者に対して総額2億3250万円超の相当対価を認めた点

 本件発明は、発明者2名によるものであり、高裁判決は、米澤氏の貢献度を70%、他の共同発明者1名の貢献度を30%と認めた。

 そこから逆算するに、本最高裁判決により、本件発明の全共同発明者に対して、総額1億6284万6300円÷0.7=約2億3250万円超の相当対価の支払を認めたものである。

 これらの相当対価額は、中村修二教授による青色LED特許に関する相当対価8億4000万円超の支払を認めた和解に次ぐ、史上2番目に高額の相当対価額である。又、判決として確定した金額としては、史上最高額である。

 

第3 本最高裁判決についての代理人のコメント

 

 本最高裁判決は、上記第2の意義等を有しており、発明者有利の判決が最終審である最高裁において示されたことは、発明者に対するインセンティブという点での我が国の知的財産権政策に大きな影響を与えるものであると考える。

 本最高裁判決により、産業的価値の高い発明をすれば、数億円レベルの相当対価を受領できることが認められた。本件発明は、日立社内でも高い評価を得た特許であるが、このような産業的価値の高い特許発明は、我が国の各大手企業において少なくとも数件程度は存在しているものと思われる。従って、本最高裁判決の趣旨を踏まえれば、我が国では、数億円レベルの報酬を得られる技術者が多数輩出されることが期待され、一般の発明者にとっては大きな励みになると思われる。

最終準備書面(複数の準備書面をまとめました)
【判 決 書】 → 地裁判決(最高裁HP 知的財産権判決集高裁判決(最高裁HP 知的財産権判決集最高裁判(最高裁HP 知的財産権判決


  • 不正競争防止法事件
    (東京高判平14.6.26、アルゼ外 v. 日電特許・確定)

    (アルゼ等代理人:弁護士升永英俊、弁護士江口雄一郎)

自己の提起した訴訟内容を説明した記者会見での発言が、不正競争行為及び名誉毀損に該当するか否かが争われた事件
 本件は、パチスロ業界大手のアルゼ鰍ェ、同じく同業界大手のサミー鰍ノ対して提起した特許権侵害に基づく損害賠償等請求訴訟の内容及び背景を説明するために、業界記者向けに開催した記者会見における、アルゼの発言が、不正競争行為及び名誉毀損に該当するかが争われた事件の控訴審である。アルゼは、日電特許を中心とするパテント・プールからの離脱が有効にされたことを前提とする発言をしたところ、日電特許は、「アルゼのパテント・プールからの離脱は無効(即ち、アルゼの日電特許に対するパテントのライセンス契約の期間満了による終了は無効)であり、アルゼは未だパテント・プールに留まっている。アルゼの発言は不正競争/名誉毀損に当たる。」と主張して、本件訴訟を、平成12年9月13日東京地裁に提訴した。本判決は、アルゼ一部敗訴の一審判決(東京地判平13.8.28、判時1775号143頁)を全部取消し、アルゼの全面勝訴となった。本件判決は、関係する係争へ大きな影響をもつと考えられる。 


 パチスロ業界大手のアルゼ(株)が、同じく業界大手のサミー(株)に対して、パチスロ機の特許権(チャレンジタイム特許=CT特許、特公平5-74391)侵害に基づく損害賠償等を求めて訴えた事件で、特許権者のアルゼを代理して74億円勝訴した。


 パチスロ業界最大手のアルゼ(株)が、同業界の(株)ネットに対して、パチスロ機の特許権(チャレンジタイム特許=CT特許、特公平5-74391)侵害に基づく損害賠償等を求めて訴えた事件で、特許権者のアルゼを代理して10億円勝訴した。


  • 青色LED特許侵害事件
    (東京地判平13.12.20、日亜化学 v. 住友商事・クリー・確定)

(クリー代理人:弁護士升永英俊、弁護士大岩直子 、弁理士谷義一、弁理士南条雅裕)

 日亜化学工業が青色発光ダイオード(LED)特許に基づいて特許権の侵害差止を求めて訴えた事件で、東京地判平13.5.15の事件に続いて、半導体メーカーの米法人クリー社を代理して勝訴した。メーカーのクリー社が住友商事側に補助参加し、クリー社が実質的に訴訟上の防御活動をした。
 本件は、前の訴訟で争われた特許権(2,918,139号)とは別のダブルへテロ構造というLEDの構造に関する特許権(2,628,404号)を巡って争われていた。日亜化学工業がクリー社製LEDに関して提起していた裁判はこの2件だけで、クリー社は今回の勝訴で、日亜化学工業の訴えを地裁段階で全て退けたことになる。


  • 青色LED特許侵害事件
    (東京地判平13.5.15、日亜化学 v. 住友商事・クリー、判例時報1760-128・確定)

(クリー代理人:弁護士升永英俊、弁護士大岩直子 、弁理士谷義一、弁理士南条雅裕)

 実質的に訴訟上の防御活動をした半導体メーカーである米法人クリー社を代理して勝訴。
 日亜化学工業が青色発光ダイオード(LED)特許(発明者:中村修二、原告/特許権者:日亜化学工業)に基づいて特許権の侵害差止を求めて訴えた事件。


          (東京地判平11.11.17、北川一夫 v. キユーピー(株)、判例時報1704-134)

          (東京高判平13.5.30、北川一夫 v. キユーピー(株)、判例時報1797-131)

          (最高裁決定平14.10.29、北川一夫 v. キユーピー(株)、上告棄却、上告受理不受理)

     (キユーピー代理人:弁護士升永英俊、同荒井裕樹)

 

 キユーピー社を代理して勝訴。
 
「戦後最大の著作権事件」(NHK報道)といわれ、世間の注目を集めた事件で、主任弁護士升永英俊は、知的財産権法の専門家の大方の予想を覆して勝訴した。

【判 決 書】 → 地裁判決(最高裁HP 知的財産権判決集)高裁判決(最高裁HP 知的財産権判決集


(アルゼ代理人:弁護士升永英俊(主任)、同荒井裕樹)

 本件は、国税側が、「明立⇒UDN⇒ECT」と売買されたパチスロ機用メイン基板(以下「明立基板」という)の売買取引について、実質的にみれば、明立基板は「明立⇒アルゼ⇒ECT」と売買され、当該売買取引によって得た利益をアルゼは米国関連会社であるUDNに無償供与したものと認定して更正処分をし、かつ、「明立⇒UDN⇒ECT」という売買取引を仮装し、「明立⇒アルゼ⇒ECT」という売買取引によって得た利益を隠蔽したものとして、重加算税を賦課した事案である。
 本件においては、売買目的物たる明立基板が、「明立⇒UDN⇒ECT」と輸出入されずに「明立⇒アルゼ⇒ECT」と授受され、実際には明立基板ではない中古基板が代わりに「明立⇒UDN⇒ECT」と輸出入されていた点が、「明立⇒UDN⇒ECT」という売買取引の成否に影響を与えるか否かが主な争点となった。
 この点、本判決は、アルゼ側弁護団の主張を認め、売買目的物の物流は、売買契約の成否に直接影響を与えないから、「明立⇒UDN⇒ECT」という明立基板の売買取引は仮装されたものではないと認定し、アルゼが全面勝訴した。

 

【判 決 書】→判決書全文(地裁)判決書全文(高裁)


(旺文社ホールディング代理人:弁護士升永英俊(主任)、同荒井裕樹)

 国税・地方税、加算税、遅滞利息の合計で約175億円の税金訴訟で、主任弁護士升永英俊は、旺文社ホールディングを代理して勝訴 した。

 事案の概要や争点、判決に対する評価等は、以下の【解説】を参照されたい。

【解説】→本判決に関する解説
【判決要旨】→裁判所が判決の要旨を整理したもの

【判 決 書】→判決書全文


(イ)<東京高判平12.1.25、センチュリータワー v. 住友不動産、判例タイムズ1020-157 (i) 未払賃料等41億円強の給付判決、及び (ii) 年間家賃19億7740万円/契約期間、15年間の確認判決>
(ロ)<東京地判平10.8.28、センチュリータワー v. 住友不動産、判例時報1654-23>)で、ともに、オーナー側(センチュリータワー)を代理して勝訴。

  •  (ハ)最高裁判所第3小法廷判決最高裁判平成15.10.21、センチュリータワーv. 住友不動産)  

     最高裁は、本件サブリース契約には借地借家法32条1項の規定が適用され、ディベロッパーは本件賃貸部分の賃料減額を請求することができるとした上で、「差戻し審において、当該減額請求の当否及び相当賃料額を判断するにあたっては、本件契約における賃料額及び本件賃料自動増額特約等に係る約定(賃料保証)は、オーナーがディベロッパーの転貸事業のために多額の資本を投下する前提となったので、本件契約における重要な要素であり、このことは重要な事情として十分に考慮されるべきである。両当事者が賃料額決定の要素とした事情その他の諸般の事情を総合的に考慮すべきであり、契約締結の経緯、約定賃料額と当時の近傍同種の建物の賃料相場との関係(賃料相場との乖離)、ディベロッパーにおける収支予測にかかわる事情、オーナーの敷金及び銀行借入る金の返済予定にかかわる事情も十分に考慮すべきである」旨の、判断基準を示した。

     また、藤田宙靖裁判官は、補足意見において、借地借家法32条の適用の否定説について、その論拠を当事者間の実質的な公平の実現であることとして触れ、本件に借地借家法32条を適用しても、本件最高裁の示す上記基準に従って賃料減額請求の当否及び相当賃料額を判断することにより、当事者間に実質的公平を実現するための然るべく解決法を見いだすことができ、更に、事案によっては、借地借家法の枠外での民法の一般法理(即ち、信義誠実の原則あるいは不法行為法等々)の適用を、個別的に考えていく可能性も残されていると述べ、32条適用否定説をとらずとも他の法理により実質的公平を実現するための法的解決策が現行法上様々に残されていると意見補足した。

     今後、差戻し審では、最高裁の示した基準に基づき、賃料減額請求の当否及び相当賃料額の判断についての審理が行われることになる。

     今回最高裁が示した基準を適用すれば、サブリース契約の内容、事情により、賃料減額が一切ないことも有り得ることになる。

     

  • サブリース 契約上の家賃保証が借地借家法32条の賃料の減額請求権の対象となるか否かが争われた事件
    (東京高判平13.3.28、三井物産 v. 千倉書房、金融商事判例1118-25)

(i) 未払敷金、賃料等17億9196万8250円の給付判決、及び
(ii) 年間家賃8億2998万円/契約期間、20年間の確認判決)で、
主任弁護士升永英俊は、
オーナー側(千倉書房)を代理して勝訴。

 上記の事件は、高裁で4つ積み重ねられた判例(これら全ては、借地借家法32条に基づく賃料減額請求を認めて、ディベロッパー勝訴、オーナー敗訴としていた)を、業界の度肝を抜く形で覆した


 清水俊彦「続・サブリースにおける賃料増減額(上)」(判例タイムズ1038号56頁)は、以下のようにコメントして、オーナー側代理人弁護士(=升永)を評価している。

「民法学界の現状として借地借家法32条適用否定説が通説ないし有力説であるとの見方があるが(判タ1020号157頁【P】判決解説欄)、サブリース問題については人為的にかなり性急な『学説』形成がなされた面 を否定できない。その背景にあるものを、下森定『サブリース契約の法的性質と借地借家法三二条適用の可否(1)・(2)・(3・完)』(金融法務事情1563号6頁、1564号46頁、1565号57頁)は、
 『〔オーナー側〕代理人弁護士の斬新にして綿密かつ精力的な努力』
と表現する。」


  • 研修費用返還等請求事件
    (東京地裁平13年(ワ)第18189号、NTTデータ v. X)

 (株)NTTデータの従業員が、米国での約2年間の海外研修から帰国した1年2ヶ月後に自己都合で退職したため、「研修生が帰国後5年以内に退職した場合等には、費用の一部を返還する」合意に基づき、NTTデータが当該従業員に対し研修費用の返還を求めた事案である。主任弁護士升永英俊は、NTTデータを代理して、実質的に全面勝訴の和解を勝ち取った。
 元従業員は、返還請求に対し「返還合意は、労働基準法16条に違反しており、無効である」と主張して争った。
 しかし、結局、 NTTデータが返還を求めた全額(遅延損害金は除く)を返還することで和解し、NTTデータの実質全面勝訴で解決した。この点は、NTTデータの準備書面(1)記載の「第1 請求の趣旨」第1項と、和解調書の「第3 和解条項」第1項とを対比すれば、明らかである。
 本件以前には、同様の返還合意を労働基準法16条に違反し無効と判断した2件の判決があったが(下記「模範六法2001」参照)、本件は和解とはいえ、実質的にこの2件の判決を覆したものである。
 

労働基準法第16条(賠償予定の禁止)
 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

〔判例〕
5◎海外研修は、労働者自身が応募したものであるとはいえ、実態は社員教育の一態様であり、また労働者は研修中に会社の業務にも従事していたので、その費用は本来会社が負担すべきものであるとされ、研修終了後五年以内に退職したときは派遣費用を返済するとの合意は違約金の定めにあたり、本条に違反して無効とされた事例。−富士重工業(研修費用返還請求)事件−(東京地判平10・3・17労判734-15)、同旨。−新日本証券事件−(東京地判平10・9・25労判746-7)
【出典】 三省堂 『模範六法2001平成13年版』


NTTデータの請求内容】 → NTTデータの準備書面(1)(「第1 請求の趣旨」第1項 参照)

和解の内容】        → 和解調書


  • 雇用関係存在確認等請求事件
    (東京地裁平8年(ワ) 第3117号、A・B・C v.平和>

 (株)平和が懲戒解雇した元支社長や元営業所長3名から、懲戒解雇は無効で雇用契約関係が存続していることの確認、及び、未払賃金計約5200万円の支払を求められた事件で、主任弁護士升永英俊は、平和を代理して、実質的に全面勝訴の和解を勝ち取った。
 実質的に全面勝訴の和解である点は、訴状記載の原告らの請求の趣旨と、和解調書の内容を比較すれば明らかであろう。
 なお、この事件で特筆すべきは、和解の条件として、元支社長や元営業所長3名が謝罪文を提出したことである(和解条項第9項参照)。謝罪文の公開は控えるが、原告らの全面的な非を認めて平和に対して謝罪する内容であり、実質敗訴者といえども和解においてこの種の謝罪文を書くことは極めて異例のことである。この一事からも、本件和解がいかに平和側の圧倒的有利な形勢のもとでなされたかが分かるであろう。

【原告の請求内容】 → 訴状(一部)
【和解の内容】    → 和解調書


  • 交通事故事
    (東京地判平10.3.19、諏訪浩之 v. 松島昇(千代田火災)、判例タイムズ969-226)

 無収入の被害者として史上最高額(認定損害金:2億6548万円。被害者が高額収入者の場合を含めると、史上最高額は2億9737万円〈被害者は会社役員〉であり、本件はそれに次ぐ第2位 の高額認定損害金〈平成10年11月19日現在/自動保険ジャーナル〉)の損害賠償金を認容した事件。主任弁護士升永英俊が被害者を代理して勝訴。
 
この判決は、植物状態患者の平均余命を症状固定から12年とした最判昭6.11.24(自動車保険ジャーナル1096号)にも拘わらず、植物状態患者(原告/諏訪浩之)に通 常人と同一の平均余命《55年強》を認めた。



東京永和法律事務所
〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-13 秀和神谷町ビル6F
TEL:03-5405-7791/FAX:03-5405-7795

Copyright 2001-2006 Tokyo Eiwa. All Rights Reserved.
各ページに掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。